満足度向上のカギに~
CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関であるJ.D. パワー(本社:米国カリフォルニア州コスタメサ)は、2018年北米空港満足度調査(North America Airport Satisfaction Study) SMの結果を発表した。
北米空港全体では、過去最高だった昨年のスコアを更に12ポイント上回る(761点/1,000満点)結果となった。北米ではここ数年、記録的な利用者数の増加と施設の改修工事が各地で進んでいるが、これらによる混乱を避けるための業界全体の努力が実った結果といえるだろう。
満足度を測定する「ターミナル施設」「空港へのアクセス」「セキュリティーチェック」「バゲージクレーム」「チェックイン/受託手荷物預け」「飲食店/売店」の6つのファクターのうち、特に「飲食店/売店」での満足度が17ポイント、「セキュリティーチェック」での満足度が18ポイント向上した。
「セキュリティーチェック」における満足度向上の背景の一つには“自動チェックイン機*1”や“自動手荷物預け機*2”の導入により、所要時間の短縮や待ち時間によるストレスが軽減されたことが考えられる。
日本国内でも自動チェックイン機の導入が進んでいるが、自動手荷物預け機の導入は現時点では全日空のみとなっている。国内の空港では、特に羽田空港がここ数年の訪日観光客の増加を受け、世界的に見ても利用者の多い空港の一つとなっている。カウンターでの待ち時間短縮や空港でのより有意義な過ごし方の為に、今後自動化への流れが加速することが期待される。
*1自動チェックイン機: 近年、搭乗手続きを無人で行なう「自動チェックイン機」を導入する航空会社が増えている。搭乗者が機械で自らチェックイン手続きをするもので、パスポートやマイレージカードなどを機械で読み取り、搭乗券の発券まで行なえる。
*2自動手荷物預け機:チェックイン手続き後、セルフサービスでカウンターに並ばずに手荷物機内預けの手続きが出来る。機械から出てきた手荷物タグを自分で荷物に貼り付け、荷物を専用機に預けると手続きが終了となる。
各部門の総合満足度ランキングは下記の通り。
【メガ空港部門】
第1位:ラスベガス・マッカラン国際空港(ネバダ州)(781点)
オーランド国際空港(フロリダ州)(781点)
日本人旅行者の利用も多いラスベガスの玄関口マッカラン国際空港と、世界的なテーマパークの最寄り
空港であるオーランド国際空港が同率でメガ空港部門での総合満足度第1位。
第3位:デトロイト・メトロポリタン・ウェイン・カウンティ空港(ミシガン州)(775点)
【大型空港部門】
第1位:ジョン・ウェイン空港(カリフォルニア州)(815点)
南カリフォルニアの空の玄関口を担う空港が、大型空港部門での総合満足度第1位。
第2位:ダラス・ラブフィールド空港 (テキサス州)(810点)
第3位:ポートランド国際空港(オレゴン州)(804点)
【中規模空港部門】
第1位:バッファロー・ナイアガラ国際空港(ニューヨーク州)(814点)
ナイアガラの滝やバッファローなどの観光名所の最寄り空港が、中規模空港部門での総合満足度1位。
第2位:インディアナポリス国際空港(インディアナ州)(811点)
第3位:サウスウェストフロリダ国際空港(フロリダ州)(810点)
《J.D. パワー 2018年北米空港満足度調査》
当調査は、北米の空港をメガ空港、大型空港、中型空港の3つのセグメントにわけ、6つのファクターにおいて、空港の満足度を聴取している。年に一回実施され、今回で13回目となる。
測定においては「ターミナル施設」「空港へのアクセス」「セキュリティーチェック」「バゲージクレーム」「チェックイン/受託手荷物預け」「飲食店/売店」の6つのファクターを設定し、総合満足度スコアを1,000ポイント満点で算出している。
■実施期間:2017年9月~2018年9月 ■調査方法:インターネット
■調査対象:過去3カ月以内に乗継を含む出発又は到着で米国内の空港を1カ所以上利用した北米旅行者
※トランジットを含む
■回答者数:40,183人